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ガンバコンサート終了!/Le concert de Viole de Gambe a bien fini!

皆様大変ご無沙汰しておりますがいかがお過ごしですか。

さて、昨日はヴィオラ・ダ・ガンバとバロックチェロ、チェンバロのトリオコンサートがパリ郊外であったのですが、天候はなんと雪!!!

始めは雨がぽつぽつ降り出し、私の家からチェンバロをコンサートの為に運搬しなくてはならなかった為、雨ほど最悪の天候はありませんね。

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楽器は水にはとても弱いですから、どんな楽器でも1度水をこぼしたりすると、なかなか元のコンディションに戻すのは大変です!

幸い、チェンバロを自宅から運び出す時はそんなに降っていないので無事に済みましたがパリから1時間車で郊外に出たPort-Royal de Champsという町に行くまで、高速道路で3つも交通事故がありました。

急な雪であまり雪に対応が慣れていないパリジャンはスピードを出しすぎたりチェーンを常備していない為、みんあ滑って追突・・・という様子で保険の紙を出したり電話で連絡をしている人たちが路肩に居ました。

そんな訳でもちろん交通も渋滞、徐行・・・という場所が多く予定よりも遅れて1時間半後にコンサートを行う教会に到着。

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コンサートのあった教会

この村!の周りは見渡す限り銀色の雪景色になっていて、到着した時は建物も雪で全然視界が見えませんでした。

そんな中大きな運搬用の車に乗っているチェンバロが倒れていないか・・・など心配しましたが無事に教会内に運びこみ、蓋を開けて教会の温度にならすため数時間おいて置きました。

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祭壇の前にチェンバロが置いてあります。調律後なので寒い外気に触れて狂わないように蓋を閉めてあります。

というのは、私の部屋は普段20度くらいで教会は暖房をつけてくれた・・・とは言っても12度くらいだったのではないでしょうか。鍵盤は氷のように冷たくなってしまいましたし、勿論弦もすぐに温度によって伸縮して調律が狂ってしまいます。

取り合えずランチを食べに出かけ、運搬の人たちは迷わずに*ステーキ!*を頼んでいたので、では私も!ということでホクホクの輪切りにしてソテーされたおいしいポテトと自家製オニオンソース(茶色いオニオンスープのように濃厚でお肉にもピッタリでした(!)をみんなで黙々と食べ暖かい紅茶と一緒に体を温めました。

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一息ついて教会に戻るとなんと人が一杯ぞろぞろと居て、とにかくお喋りが響いて調律できる状態ではないのでびっくり!

特にフランスの田舎に行けば行くほどみんなお喋りが大好き!ということで、しょうがない・・・とその騒音の中耳をチェンバロに近ずけて取り合えず1回目の調律終了。

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市長さんもいらしていて何やらインタビュー、コンサートも録画されていました。


そして本当はコンサート前のゲネプロ(最終リハーサル)をやるのですが、なんとガンバを弾くパスカルはコンサートの直前までパリで他のリハーサルをしている・・・・とのことで、コンサート開始の20分くらい前に駆けつけるのでゲネプロは勿論なし!

しかも、もし遅れたらいけないから私のチェンバロのソロを10分くらい弾いてその間に楽屋で指ならしをしているから!なんて言ってました。大丈夫?!なのだろうか・・・と気をもみましたが。

ということで、今回はコンサート2日前から私の家でリハーサルを2回したのみでした。しかもバロックチェロ(伴奏)のラファエルも超売れっ子の為忙しくて1回のみのリハーサルでじゃあ、本番ね!と言って帰って行きましたねえ。(苦笑)

ので、ほぼ本番の1発勝負というか集中力にかかっているのですが、さすがコンサートでいつも弾いているだけにパスカルの集中力、呼吸感も前日のリハーサルとは比べものにならない位パワーアップ!していてとても良い緊張感やデリケートなヴィオラ・ダ・ガンバの音色が出ていました。

ラファエルもやはりプロ!すました顔でピッタリ合わせてました。無事にコンサートが終了した後は色々な方が楽屋に来て下さりサインして下さいというフランス人の女性もいらして、こちらこそ恐縮してしまいましたが。

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その後はオルガ二ストの方が19世紀のイタリアのオルガンで即興演奏を始めたのでラファエルも一緒にチェロを持って弾き始めましたが、教会の素晴らしい音響でしばし聞き入ってしまいました。

この小さな村は実はラベルの生家からも遠くなく、なんとラベルやショーソンなどの音楽仲間が達より音楽談義に盛り上がった場所(一軒家)が村の公共の場所となっていてコンサート後にはシャンパンとフォアグラやサーモンのムースなどと一緒にお客様とレセプションがありました。

オーガナイズしていた方たちも皆さんとても親切で楽しかったです。それにしても冬の教会は寒い!念のためホカロンを4つ持っていったのですが全て使って、ダウンコートを着ていても寒かったです・・・・

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昔の人は暖房も電気もない中石造りの教会で本当に寒くて暗い時間を過ごしただろうに・・・と思ってしまいます。