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瞬く間に・・・/dans un petit moment

皆様、こんばんは。

昨日、フランスで3つのコンサートをしているラファエルが、その合間に

【4月に是非Duportのチェロソナタ(秋にパリで録音をした)を東京でしよう!】

という連絡が来ました。

頭の中は ”くるくる~っ”と一瞬お星さまが回っていました。

そう、それもそのはず。あと2か月半しかない!

ということで、企画書、プログラム、写真、プロフィールなどをタイプしていると3時半に・・・
どうりで眠さも通り越して後頭部も重い。。。

その甲斐あり、夜中に送った内容がなんと今朝にはもう日仏文化協会のサイトに全てUpされていました。2カ月に1回発行する【汐留レビュー】という冊子にも掲載して頂けることになりました。

また、4月26日(木)【汐留ホール】だけでなく、4月25日(水)【仙川アヴェニューホール】という元桐朋学園大学音楽部の別館ホールだった場所を修理工事などを重ね、今では大変素敵な160席のホールに生まれ変わりました。

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小1~大4の17年通った母校のある懐かしい仙川でコンサートを開催させて頂く事になりました。再度、詳細をお知らせいたします。

チェンバロやバロック音楽にはピッタリの東京には珍しい天井が高く、隅々まで音が響き渡るホールです。
きっとチェンバロとチェロの音がシャワーの様に降り注いでくるのではないかとイメージしておりますが。(笑)

以前にコンサートへいらして頂いたスワンの涙や時代劇などに出ていた女優さんが、終わった後に
【脳みそがマッサージを受けているような感じでした】
【チェンバロの音がシャワーの様に降ってくる感じでした】とおっしゃっていました。

こういう感想は初めてだったので、面白い感受性の方だなと思い、でも嬉しいかったですね。
皆さん人それぞれの感じ方が違うので。

思えば、去年の夏6月~10月まで録音をするまで詳細は、夏のバカンスを挟んでしまい、企画が通るまでに2人の責任者の返事をもらう為に、2人とも時期を別に3週間ほどバカンスへ行ってしまい(マダガスカル島とか遠い!電話もメールも届かなさそうな・・・勿論実際には届いているはずなんですが)、音信不通。。。
一体録音できるのか?と1カ月半、ひたすらじ~~~~っと蝉の様に待つのみ。あれは、さすがに精神的にもかなりのストレスになったらしく、生まれて初めて全身蕁麻疹が出ました。まさか、蕁麻疹とは知らないので、1週間夜も眠れない痒さに病院には疎遠なのですが、救急の皮膚科へ行くことに。

これまた、バカンスでまるまる1カ月皮膚科が有名な大病院はバカンス=お休み!

ありえん・・・
結局大丈夫でしたが、フランスを含めヨーロッパ(イタリア等も)とにかくのんびりしていますね。
今はすっかりそんな事もないのですが、やはり外国に居る時は色々なことから病気になったりしますが、体のサインですね。
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それにしても、日本のオーガナイザーの方との連絡は何とスムースなんでしょうか。空飛ぶ絨毯みたいな?

ということで、ありがたや~ありがたや~という感じで、一体今までどこに居たの?と言われそうですが。

でも、フランスに居た時に日本のこのスムースさを経験してしまったら、きっと弱音をすぐに吐いてすぐに帰国していたのでは?なんて思いました。

パリのオーケストラの仕事など、ツアーであっちこっちへ移動して弾く中で、鍛えられたことも沢山あり、多くの有名なホールで演奏させて頂けたことは大変貴重です。

日本では経験できることのないことを沢山吸収して、失敗し、またヨレヨレと歩き始め・・・という感じ?(笑)
助けてくれる人も居ませんし、外国人というすでにハンデイキャップがあるので、やっぱり仕事をしていくのは語学だけでなく、フランス人社会に馴染んでいくという意味で大変でしたが、今では本当に良かったと思います。ピアノのレッスンでは7歳の生徒さんにスペル直されたりしてましたが!子供は素直で可愛いですね。

フランスにはフランスのやり方、言いかた、伝え方、コミュニケーションの仕方がある様に、日本にもあるようですが、こんなに違いを体感したのは久しぶりです。これまで約3週間の一時帰国のみでそこまで日本と関わって居なかったのかもしれません。

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昨晩は、バッハのゴルトベルクの3回目の編集をチェックして再度詳細をエンジニアに送ったのですが、ほぼブチ切れ寸前・・・というか、切れていた文面でしたね。私の指摘が細か過ぎると。

こんな終わりのない作業は嫌だわ!と。

???

でも、それが彼女の仕事だと思うのですが、フランスではみんな
【さら~っと聞いてOK~~!!】→ちょちょっと直して終わりなんでしょうか。

勿論、私も富士山の7合目~9合目の登山みたいに、【一体いつまで続くの~~】という果てしない作業で気がついたらエンジニアにCDを貰って2か月半が経ちましたが、1カ月半は音選び、1カ月ジャケットの翻訳、文章に費やしました。それでも、産みの苦しみでないですが、苦労しただけ愛着が出ました。

もう、後は【人事を尽くして天命を待つ】という感じです。
大げさに聞こえる感じかもしれませんが、先ほどやっとアリア~30変奏曲~アリアを通して聞き、この言葉が10年以上ぶり?に浮かびました。


果たして人の心にどの様に映るかは別として、今自分が出来るだけの事を精一杯やったと思います。
演奏家は練習~録音までやり、あとはお任せすれば良いかもしれませんが、やはり自分の納得行った演奏を残すためには逆立ちでもひっくり返っても、やるべきだと思い、チェンバロの先輩からもそうアドヴァイスを貰い、とにかく聞いて聞いて、納得行くまで聞きました。

ユゲットおばあちゃんにも自分の名前=自分の音=自分の責任=自分の作品 と言われました。

また、親友の同じ曲を録音したチェンバリストからも10年経って聞いた時に、勿論未熟な面はあるけど【2012年の自分の演奏=姿】として残る時に、やはり納得するものを残したほうが良いでしょ?と言われました。

今やっと、顕微鏡で見ていた1音1音がつながってフレーズになり、1曲ずつになり、他の曲と流れ、32の変奏曲になっていくという大きな視野で見えるようになり、ほっと一息です。

とは言うもの、気が付くとパリには3月末へ2週間行き、帰国後2週間弱で東京コンサートという日程になり、4月末までは目まぐるしいかと思いますが、この様にパリでの活動を日本でもご紹介できることを心より嬉しく思います。

これも、今までパリで家族の様に支えてくれた旧友(Mちゃん、ありがとう~!)や今回のCD制作に携わってくれた友人(Y子ちゃん、Kちゃん)、そしてこれからの日本の活動を1から教えて下さっている方達のサポートがあって初めて実現したと思います。
本当にありがとうございました。