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ベルギー:リエージュコンサート終了!/Le concert à Liège a bien fini!

今日は朝9時に家を出てパリの北駅から高速電車タリスで2時間半のお隣ベルギーのリエージュにてコンサートを終了後、夜10時に帰宅しました。

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タリスでベルギーリエージュ駅に到着。スペイン人の有名な建築家サンティアゴ・カラトラバの作品。最近やっと工事が終わったばかり。

ということで13時間の間にお隣の国でリハーサル、コンサートをしてコンサート後にお客さんと共に玄関ホールで歓談して、カフェを飲んで帰ってこれるんですね。

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日本の感覚から言うと隣国に日帰りで往復するというのはあまり実感がわかないかもしれませんが、1時間半でパリーブリュッセルに着いてしまいますから東京ー大阪や名古屋へ行くのとあまり変わりませんね。

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大きすぎて全体像が分かりませんが、曲線が特徴ですね。
大陸続きなので便利です。そのままタリスに乗っているとベルギーからドイツのケルンに着きますので3カ国を越える事は珍しくない訳です。東京から四国や九州に行く感じ?でしょうか。

南仏のアルルやマルセイユはパリから4時間半ー5時間、またスペイン近くのピレネー山脈などは6時間くらいですから、フランス国内の方が遠い場所が沢山ある分けです。

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外から見るとこんな感じ。

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こんな建物もスペインに作ってるみたいです。

その為、スキーはアルプスへ、海は地中海、フランス北のブルターニュ、西の大西洋寄り、お城めぐりはパリから1時間南のロワール地方、シャンパンはパリから1時間東のシャンパーニュ地方、もうちょっと行くと白ワインのおいしいアルザス地方、ワインが好きな方は南に1時間半ほどでブルゴーニュ地方、そしてさらに南下すればボルドー地方・・・その中腹の真ん中の地方はフォアグラの産地・・・などなど。

こうして見ると本当にフランスは生きる楽しみが何通りでも自国の中で満喫できますね。
その為か、しばしばフランス人はわざわざ外国に行かなくても十分楽しめる・・・ということで外国語が苦手というのも一理あるようですが。

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リハーサル中

さて、話が大分それましたが(いつものことですが…苦笑)ということでベルギーは近いわけです。
今日は昨日ちびっ子コンサートで弾いたコンサートと同じプログラムでしたからさらっと要点をリハーサルしてすぐに本番なので緊張する間もない?感じでしたがホールが素敵なバルコニーのあるクラシックな円形型の劇場でした。

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パリのシャンゼリゼ劇場も同じ形のもっと大きい感じですがベルギーはバルコニーに金の装飾が細部までありきれいです。やはり、そんな所で演奏できる時はウキウキしますね。
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今回は”ヴェルサイユ宮殿の音楽”というテーマでしたから、全部フランスバロック音楽で有名な宮廷音楽家だったリュリのほかリュベルという珍しい作曲家の曲も取り上げました。

その”Les éléments"(日本語で要素、成分、パーツなどの意味)はまさに自然の要素を音楽にあてはめて、楽器を組み合わせて作曲されています。

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昨日に引き続きお客さんに分かりやすく、①”L‘eau"(水)を象徴するフルートのメロデイーだけ説明後に弾きます。

②”Le Feu(火)を象徴する激しいメロデイーをヴァイオリンが弾きます。

③”La Terre"(土、大地)を象徴する地響きのようなメロデイーをチェロやコントラバスが弾きます。

そして、この5分くらいの曲を演奏するのですが、そうするとお客さんも今どのテーマなのかイメージとコネクトして聞ける訳です。

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今回使用したのはボルドー地方の製作家Philippe Humeauさんの30年前のチェンバロ!

ルイ14世のフランス宮廷時代はダンスが一生大好きだった王様の為に多くのダンス音楽が作曲され、またリュベルのように象徴的な曲、また当時大人気の劇作家であったモリエールの作品をもとにオペラが作曲され、ヴェルサイユ宮殿で上演されていました。

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現代に生きる私達にとって、ヴェルサイユ宮殿の栄えた時代=江戸時代は遠い文化ですから、その当時の常識や知識、文化的背景はやはり勉強しないと分からないわけです。当時常識とされていたことは、今の私達には常識でないことがほとんどですし、習慣も大きく異なっていますからやはり分かりやすくお客さんに説明することで、一緒に楽しんで頂けると思います。

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舞台から見た客席

今日は2回目のコンサートだったのでオーケストラのメンバーも楽しんでましたし、指揮者がヴェルサイユ宮殿の宮廷楽団がそうであったように、大きな木の杖に鈴をつけて、それを地面にならして指揮の変わりにしたり、曲が始まる前に打楽器奏者と一緒にしばらくイントロを即興でタンバリンなどで弾いてから始めたり、終わりも打楽器だけ残り消えていくように終えたり、誰もいつ終わるのか分からない即興を見ていたりしていました。

一番おかしかったのは、”小鳥のさえずり”という曲で繰り返しの時に指揮者が口笛をしろという合図をして、私の後ろ隣にいるいつもジョークばかり言っているコントラバス奏者が口笛でとても上手に小鳥がぴーちく、ぱーちく・・・という感じでし始めました。私も思わずにんまりと笑ってしまい下を見て笑って居たのですが、お客さんもみんな微笑んで、一体どこの誰が吹いているのかしら?と見ている訳です。

でも小鳥のさえずり=フルートの為にメロデイーがよく書かれますが、本当の口笛も結構馴染んでなかなか良かったです。
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小人みたいに見えるけどお客さんです・・・

でも、やはり気の知れた仲間というのとみんな本番の慣れで一瞬の合図でみんなピタッと合う訳です。

オーケストラで弾く時は、ソロや室内楽と全然違って大きな社会というか”会社”に属しているような感じで、みんなとずれてはいけない訳です。ずれるくらいなら弾かない方がいいくらいです。

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私は、私も慣れるまで分からずにぼろぼろと1音残ってたり、遅れたり・・・して、指揮者に睨まれてましたが(未だにボロをすればすぐに睨まれるのは当たり前ですが少しは心臓に毛が生えたでしょうか?!(苦笑)、段々慣れてきたらこっちも開き直って、すみませんね~~。という感じでコンタクトを返したりします。

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この距離で睨まれたりするので、前はよく今回で首がとぶ~~と冷や冷やしながら弾いたりしてました。

前にドイツで2小節くらい和音がチャ~~~~と伸びている間に、何か即興で適当にきれいなメロデイーを弾いて~~~~と指揮者が手の平をぴろぴろと=(何か弾いてという合図)、取りあえず何か弾いて、でもまだ手の平をひらひらしているので、もう弾けないよ~~とこっちは手の平を返して肩をすくめる合図をしました。

すると日本人=シャイなイメージがあるで指揮者にそんなことをした人はあまりいなかったらしく、噴出してました。まあ、笑って許してくれたので良かったですが。
そんな急にずっと即興しろっていったってね~~~。なんて。本当はできないといけないんですけど。(苦笑)

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舞台後ろのオルガン

ということで、オケの中でも色々ですが一緒にコンサートを始めて1年半くらいが経ち、始めはよそよそしくしていたフランス人もほとんど顔なじみになりました。やはり慣れる時間というのは必要ですね。

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今回はイギリス人も3人居て一緒にお茶したり電車の中で話てフランス語と英語の良い勉強になりました。
ということで、3月のコンサートまで一先ず休憩です。

4月に日本でチェンバロソロリサイタルを2回企画していますので、そちらの準備も始めないといけません。またお知らせをきちんとします。

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お時間のある方、チェンバロを聞いたことのない方もご興味がありましたらどうぞお越し下さい。
まだまだ珍しい楽器であるチェンバロを気軽に聞ける機会を増やせていけたらいいなと思っています。

どうぞ今後とも宜しくお願い致します。