カテゴリ:チェンバロ/Harpsichord( 32 )

皆様こんにちは。蒸し暑い日が続いていますね。

庭のきゅうりもそろそろ終わりになってきましたが、3株で30-40本は捕れたでしょうか。ミニトマトも毎日赤くなり始めた実を摘んで食べています。

さて、嬉しい知らせがパリから届きました。

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知らぬ間に!(いつもですが・・・)また、バッハのCD批評が出ました。大変恐縮ながら、ブリュッセル王立音楽院のチェンバロ教授でいらっしゃるフレデリック・ハース氏が名器へムシュで録音したゴルトベルク変奏曲とリリース時期が重なったせいか、2枚比べて批評が書かれています。この夏に、フレデリックさんのお弟子さんとイタリアでご一緒しましたが、親日家で剣道などもなさっている方で、10月に日本でもゴルトベルク変奏曲の公演の為に来日なさります。

バッハフランス批評                  2012年8月

2つのゴルトベルク、2つのチェンバロ:フレデリック・ハース VS 植山 けい

この2枚のゴルトベルク変奏曲の演奏と楽器に対して心からの愛情と賛美を与えたい。フレデリック・ハースが演奏しているヘンリー・ヘムシュ【1751年】は≪正真正銘、奇跡的な響き≫、植山けいが演奏しているヨハネス・ルッカース≪1632年、ラヴァルモン1745年】は≪伝説的≫と言われている。

もし、彼らの演奏の長所を同時に聞いたとしても、演奏からもたらされる幸福感は、同様ではない。

フレデリック・ハースは、賢明で真面目すぎる。多様なタッチは、詳細を豊かに引き立てていて、全体的に退屈にさせない。(La Dolce Volta LDV01).

ハースのゴルトベルク変奏曲は、植山けいのより正統派で、歓喜に満ち、より伸びやかな演奏に屈服する。日本人である彼女は、バッハの世界を交響曲的な旋風を巻き起こしながらも、陶酔させ、あふれんばかりの感情、独特のユーモアと軽やかさと共に、最後まで魅了させる。愉快な1枚。(Integral Classic INT 221.188).GdH
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今回の特選に選んで頂き、何が嬉しいか・・・
考えていました。

勿論、今まで音楽を続けてきた事がやっとCDという形になったことは勿論ですが、
今回初めて、右も左も分からないまま全てのテイクを私自身で2か月に渡り聞き、ほぼ98%は自分で選び、決めるに至るまでの苦労が報われたという喜びでしょうか。

とても地味で緻密な作業なので、やるまで、全く私も分からず、容量の良いやり方も分からず、多分、一番能率の悪い方法でやったのでは?と思います。仕方ありませんね。

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でも、初めてのCDだからこそ、きちんと自分の音に責任を持って、聞くべきだと思いました。

パリのユゲットおばあちゃんも、3-40枚のCDを出していますが、50年くらい前の音楽家は編集にはノータッチで全てエンジニアにお任せの時代から、彼女は全部自分で聞いて選んでいたようです。
スコット・ロスグールドも全て自分でとことん選んでいますね。

ということで、腹をくくって、微妙なチェンバロの差、フレーズ感、ピッチ、音程、装飾音、全ての1音1音を何度も何度もとことん聞きました。

生まれて初めて1000回以上自分の演奏を聞き続け
【自分はこんなに下手なのか!想像力がないのか!】と、1人で本当に失望したのも事実です。

ひゅ~~~っと落ちて行きましたね。

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それでも、エンジニアはパリ私は東京、誰にも聞く人は居ない。
そして、誰よりも自分がどの様にこのバッハを表現したいか・・・というのを知っているのは、

【自分しかいない】

という事。

その決定的な事実から、とにかく自分の感覚のみを信じて、頭がおかしくなる位?(元からすでに頭のネジは緩み気味?!)、来る日も来る日も聞き続けました。

そして、1つ1つ果たして自分の納得いく【音】になっているのか・・・
不安と想像する音の世界で作業を進めていきました。


その様子は、以前にもブログで書いているので、皆さん【てんてこ舞いな状態】をご存じだと思いますので、カットしますが!

そんなこんなで、終わってみれば何はともあれ、色々な事を含めて、経験してみて良かったと思っていました。
そして、今回この様に認めて頂けたというのは、本当に感謝の気持ちで一杯です。

今まで支えて下さった方、コンサートへ御越し頂いた方、そしてブログを見て頂いている方、皆様に心からお礼を申し上げたいと思います。

今後も、一歩一歩進んでいきたいと思います。まだまだ、未熟ですがどうぞ宜しくお願いいたします。
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皆様こんにちは。

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5月21日(月)に発売された、レコード芸術6月号にバッハ:ゴルトベルク変奏曲が特選​に選ばれました。

全く思いがけず、こんなに素晴らしい事が起きるとは!
本当に嬉しい限りです。

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レコード芸術バッハ:ゴルトベルク変奏曲批評。

批評より

濱田 滋郎
【・・・ともかく植山けいは、この楽器に出会ったとき、これで【ゴルトベルク変奏曲】を弾きたい、と切望したらしい。その夢を叶えての録音であるだけに、これは大いに気分の乗った、自分の持てるものをすべて傾注した演奏だといえよう。変わった趣向は凝らさず、着実かつ正確人弾き進めていくが、聞きごたえは十分ある。原則としてリピートを忠実に行なうが、第13,15,25曲など店舗を押さえてじっくりと奏でる演奏ではそれを省く。…】


茄子田 務
【・・・とにかく華やかで奥深い響きだ。主題は落ち着いた店舗で弾かれ、その後の変奏の解釈は標準的だが、演奏そのものに表出力があり、装飾音も気が利いている。そして闊達な指廻りとパッション。楽器が鳴っているし、一音の持つ味わいが格別だ。構造的で静的、繊細に陰影ずけるというよりは、音楽に没入し、率直に個々の楽曲の情感をダイナミックに引き出してゆくタイプなのかもしれない。


石田 善之
【録音評】
非常に自然な距離感や広がり感を利かせる。立ち上がりと響きとのバランスもほどよいし、全体にたいへんクリアで曇った感じがいっさいない。
録音はスイス、ノイシャテル博物館で、それなりの響き感も味わえるが、大きな空間を思わせる響きとは異なり、むしろ輝かしい響き感ということになるようだ。


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もう1枚のラファエルとパスカルと録音したデュポール・チェロソナタも準特選に選んで頂きました。

高橋 昭
【・・・ピドウーのチェロは陰影を伴った音が美しく、表情も豊かで、旋律の魅力が十分に伝わってくる。
特に緩徐楽章では落ち着いた感情を保ちながら、明暗の変化を生かして演奏しているので、表情に深みが加わっているし、急速楽章では音楽の骨格を浮かび上がらせているが、音色の変化も楽しめる。】


大木 正純

【チェロと通奏低音のためのソナタ集】作品4全6曲も、これが世界初録音とある。たいへん貴重なレコーデイングだ。・デュポールの伝記が仮にいくつもあったとして、それを虱潰しに読むよりも、この1枚はデュポールの実像をはるかにいききと私たちに伝えてくれる。

ソナタ第1番・第一楽章にいきなり聞かれる、華麗でのびやかなヴィル等オーゾ性が、疎なあt州のほとんど全体に一貫して浸透する、音楽の基本コンセプトである。パガニーニやリストの様な意味での技巧誇示の精神とは少し違うのだが、少なくともチェロの最高度の技が、終始、作品の大前提としてあることは間違いない。この名技性は、おそらく時代をはるかに超越したものであったことだろう。

念のために述べておくがむろん技巧オンリーではない。ソナタ第3番終曲の軽快な機動性、唯一の短調作品である第2番の譜かい憂愁の色、あるいは第5番アダージョ楽章のロマンティックな陰影など、聞くべきものは少なくない。
ピドゥー(父ロランではなく息子ラファエルの方)の果敢なチャレンジに大きな花束を。】


という大変嬉しい批評を頂きました。

これから、ラファエルとパスカルにも批評内容を和訳してパリへ送ります。とても喜ぶと思います。

また、ラファエルの活動するトリオ・ワンデラー25周年記念のHarmonia Mundiからリリースされたばかりの、ベートーベンピアノトリオ全集も批評に載っています。

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安田 和信(音楽学)
【現役ピアノ・トリオとして最も継続的な録音活動を誇る同団体は、今年が設立25周年。それに合わせてか、ピアノ線重奏曲の歴史におかえるもっとも重要な作曲家の全集が出た。・・・筆者がとくに印象的だったのが第1番第1楽章:多くの演奏では落ち着き払ったテンポになり気味。だが、本盤では音の持続を抑制した録音のために、よりアグレッシブなテンポを採用できるのである。
・・・筆者としては第1番の、突き抜けた解釈に度肝を抜かれたのだった。】



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表紙をあけてすぐのKing internationalの宣伝欄には、上記バッハ、デュポール、ベートーベンのCD3枚の他に、デュポールの下に私が所属させて頂いているパリのオーケストラ(レ・シエクル)の日本デビューCDも紹介されていました。
偶然ですね。
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去年、パリー日本へチェンバロを飛行機輸送した際に、加入していたイギリスの楽器保険の期限が切れてしまいました。再度、聞いてみると 【2012年1月に更新】の新しい条件が。

色々な事故や盗難の条件があるのですが、新しく【放射能物質によるダメージなど】という項目がいくつか増えており、目を丸くして見てしまいました。そんな事が条件に書かれているなんて意外でした。

確かに、イギリスやフランス、アメリカに住み、日本の震災に対して同情している人たちでも、
【今、日本にすぐに来て住む?】と聞いたら、きっと8割の人がNoと言うかもしれません。
必要以上に外から見ている人にとっては、【防衛状態】になるかも知れません。

逆に、日本語とフランス語の交換授業をしていた友人のお母様は、大の親日家。娘3人を育て上げたマルセイユ出身の肝っ玉母さん

以前にも日本へ来て、みんな親切に道を教えてくれたりして、震災の知らせを聞いてすぐに【FUKUSHIMA】へ行って、お料理でも作ってあげたいと真剣に思ったそう。
でも、足の手術をしたばかりで実際には行ける体調ではなかったそうです。

【放射能なんか怖くない!3人子供も無事に育って孫も居るし、私には何も怖いものはない!】と言い切ったブルーの瞳に、圧倒され、日本への深い愛情に感謝の気持ちが湧いてきました。

1年経ってもまだ【がれき受け入れ問題】や、避難している方達も多い中、政府の対応はとても遅いのではないかと思います。そんな中、【たこ焼きチェーン店】の車が真っ先に被災地へ行ってアツアツのたこ焼きをみんなに食べさせてあげたり、長淵剛さんや福山雅治さんがコンサートなどで得た1億円を被災地に寄付したり、国民全員が”いつ自分に起こってもおかしくない状況”で困っている被災地の方々への協力があり、少しずつ復興へとつながっているのだと思います。

被災地で医師をしている方が、震災以降仮設住宅へ住んでも、引きこもりがちのお年寄りの方が多いとおっしゃっていました。
その中には、

外出して子供を見ると亡くなった孫を思い出してつらいから家にいる方
友達がほとんど居なくなってしまったから一緒に出掛ける相手がいない方
仕事もないし、この先不安で精神安定剤を飲まなくては恐怖感から寝れない方
外出しいないから運動不足で肥満になってしまう方

など、街が復興しないと循環していかない問題が沢山あるとおっしゃっていました。

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先日、ピアノ修復家の方が、震災数日内には

【カップラーメンがあっても燃料がなければお湯も沸かせないから食べれない】という事実を知り、ガソリンをピアノ運搬用トラックに積んで、2日かけて仙台まで運び、その先の被災地まで届けるのにまた2日かかったそうです。

その時は、その方も【音楽】という贅沢な事をしていて良いのだろうか・・・という戸惑いがあったそうです。

①燃料
②食料
③音楽

が人間にとって必要だと被災地を巡って実感したとおっしゃっていました。
勿論、生きていくために必要なお金も必要だと思いますが、音楽は心を大きく支えるという事を実感なさったそうです。

その後、ピアニストの方と被災地にピアノを運んで50か所以上で学校や誰かの家など数十人しか集まれないような場所で小さいなコンサートをしても、みんな心が和み、本当に喜んで下さったという事です。

その姿を見て、戸惑いを持って始めたコンサートでしたが、【音楽】が人を元気にしてくれる力を目の当たりにし、楽器も全て失った小学校へ都内の学校で使っていない楽器を寄付して貰い運んだり、壊れているピアノをラジオを通して募集した所、数十台ものピアノが寄付され、それを彼一人で修復し、すでに被災地へプレゼントしに行ったそうです。

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彼曰く、ウィーンの街角にもヴァイオリニストが立って弾いている。
音楽が聞こえれば、人の心は和み、そして生きようという気力が湧いてくる・・・と。
私も、小さな存在ながらチャリテイーコンサートなどが出来ないかと思っております。

こうして、毎日生きれる、洋服がある、音楽を聴けるという事はとても恵まれたことだという事を忘れてはいけませんね。

1人では生きれません。皆さんに感謝。そして、自分の体と”今”という一瞬を生きていれる事にも。

去年の3月11日に体験した揺れ、危機感と起ったことは、もう一生経験することがないかもしれません。だからこそ、自分の心が浮ついた時、リセットする、【生かされている】ということを感じる為にも忘れてはいけませんね。

当たり前の事が、当たり前ではないのかもしれません。
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3月29日のパリCD発売記念コンサートのチェンバロがまだ見つかっておりません・・・

今回ばかりは、かなりお疲れモード。かれこれ2か月かかっております。
もう10人位に聞いたでしょうか。断られ慣れてしまった感じですね。

迷子の子猫ちゃんを見つけるのと同じくらいのパーセンテージではないかと?

”お~い!チェンバロよ!出てきておくれ!”と言いたい気分ですね。

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Mozart FestivalのドイツWurtsburg宮殿(ユネスコ世界遺産認定のフレスコ画)【皇帝の間】にて。普段は写真禁止らしいですが、リハ終了後にパチリ。真面目なコントラバスの方のみ練習中。他の皆さんは地ビールを飲みにとっとと解散してました!楽器の片つけの早い事!


みんな、【Je croise les doigts】cross fingers=幸運を願っているよ

という事ですが、空からパタパタとチェンバロが飛んできてくれればいいですね。

理想はパリと東京に【アパート&チェンバロをそれぞれ2つを完備】そんな夢の夢の様なことは、勿論ないわけで・・・・

ドラエモンのポケットから出してくれないでしょうか?
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先日、10年ぶりくらい?に銀座のYAMAHAへ行き、リニューアルした店内でチェンバロのCDコーナーを聞くと、ピアノの30分の1くらいの?一番下の目立たないところに20枚ほどありました。

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パリのFANACや新宿のTower Recordに比べてかなり少なかったのですが、そこでかつてERATOとDENONの録音した名盤100選というのにスコット・ロスのスカルラッテイやユゲット・ドレイフュスのバッハがあり、早速買ってきました。

ユゲットの写真は今より随分若いなと思ったら、『私が生まれた年の録音!』

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ま~!いつも呼び鈴を押して会いに行くと、トコトコと可愛く出てくる若きユゲットとYAMAHAで再会できて、むふふ~と嬉しくなってしまいました。彼女の演奏は他のCDでも感じますが、どちらかというと男性的で構築感がしっかりしています。

録音談義をした時、晩年日本のDENONで録音をする事が多かったそうですが、夜中に録音するのが大好きだということで、ユゲットはハッピーでも、みんな周りのエンジニアは疲労困憊だったようです。可笑しいですね。

彼女は82歳なのにメールをきちんと使いこなしている所が素晴らしいですね。
しかも、パリで出会った誰よりも一番上品な、最上級の丁寧なフランス語で書いてくるので、いつも彼女に書くときは2-3回読み直さないとミスだらけでお恥ずかしいです。

未だにブランデンブルクの5番のカデンツァやスカルラッテイの2オクターブ跳躍するソナタも横に居る私の方を見て弾いたり・・・手が名曲の数々を覚えているんですね。チェンバロ歴は1950年から始めたという事なので、何と62年! あっぱれですね。
私なんか、ひよっこの卵の卵の。。そのまた。。たまごっち?みたいな。(笑)

トコトコおばあちゃんが急に変身!みたいな。

私の中では心も全て見透かす様なブルーの目と聡明さが

『スターウォーズの1000年くらい生きているヨーダ


のイメージで出会った頃はヨーダ、ヨーダと友達に話していましたが、いい加減失礼なので、尊敬の念があるので、ユゲットと呼んでいますが(笑)本人とはPourriez-vous~? Auriez-vous~?という感じで話しています。

もう1枚のCDのスコットは550曲の長大なスカルラッテイのソナタをほぼ全曲録音したんですね。この特選に収められた10曲は550曲から厳選しつくされたソナタなのですが、良く聞くと色々なオリジナルのチェンバロの録音が数種類集まっていることが分かり、大変貴重な1枚だと思います。

本当に素晴らしい曲集です。聞いているうちに何だか元気が出てきて、すっかりスカルラッテイの魅力にはまってしまいました。

当時はほとんどの音楽家が王様や王女様(スカルラッテイの場合)にお仕えして、彼らの為に彼らの趣味に合う様に作曲され、出版する許可も勿論頂いてからでは認められなかった為、楽譜の前に4-5ページの献呈の言葉が原語(17-18世紀のイタリア語、フランス語)で書いてあります。

作曲家が、『この様に弾いて下さい』と指示をしている場合は、装飾音の表や、即興的に弾いて~など細かい指示を与えているので、言語で読んで理解できるというのは、とても大事です。

ということで、イタリア語はできないので、この練習曲集を見ると読めないので

『し~~~~ん・・・・』という感じですが、献呈の言葉のみです。やっぱりイタリア語が話せたらいいな~と思いますね。

1年前にパリから本帰国する時に楽譜屋さんへ行き50冊チェンバロの本をまとめて一生分買い、何と30万ほどもしましたが、チェンバロの楽譜は日本で買うと1冊1万円以上したりすることも多く、ピアノのHenle版やウイーン原典版よりもずっと高い出版社が多いです。

楽譜屋さんへ取りに行くとき、【スーツケースで行くしかない!】とゴロゴロ転がし店員さんも笑ってました。ぎっしり楽譜を詰めて、タクシーで帰宅しましたが、タクシーのおじちゃんも『どっこいしょっ!』勿論パリジャンはそんなことは言いませんが、そんな感じで)トランクに入れて貰い、遥々東京まで引っ越し便で赤道を越えて届きました。

その時に買った1冊がこのEssercizi per Gravicembalo【チェンバロの為の練習曲集】
今気が付きましたが、Clavicembalo でなく Glavicembalo なんですね。

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1738年出版された銅版画の初版譜(ファクシミリ)をフィレンツェのStudio Per Edizioni Scelteが再出版しています。

知っている方も多いと思いますが、このイタリア語→チェンバロが日本では定着していますが、フランス語→Clavecin(クラヴサン)、英語→Harpsichord(ハープシコード)

どうして改めて書いたかと言うと・・・以前にコンサートへ来て下さったが、
『チェンバロのコンサートへ行かない?』と誰かにお誘いした時に、

(それはハープシコード?)と聞かれて、

??? 

『なんか、似たような楽器だと思うけど、チェンバロって言うのよ!』

とお二人ともチェンバロ=ハープシコード と一致せずに別の楽器だと思っていらっしゃったようで、コンサートで説明した時に、二人とも謎が解けたそうです。

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昨日は、留学の手配や外国人の先生達のマスタークラスを東京で企画しているAnd Vision(アンド・ビジョン)という会社のインタビューを受けさせて頂きましたが、やはりチェンバロを知らないピアノの生徒さんが多く読むのでは?と思い、チェンバロの構造が根本的にピアノと違うこと、私のピアノを約20年勉強後にどの様にチェンバロに出会いチェンバリストになったか・・・などお話させて頂きました。後日、And Visionのホームページの≪対談・音楽家に聞く≫というコーナーに掲載されるようですので、またお知らせさせて頂きます。

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すでにインタビューされたパリ、ロンドンのピアニストやドイツのヴァイオリニスト、は同級生や友達が居て、逆に新鮮でしたね。皆さんも知っている方が載っているかもしれませんね。
これから留学を考えている音大生にとっては、参考になルカと思います。

このAnd Visionという会社は5-6年前にできたということで、私が留学した時代はこんなに親切な事細やかにサポートをして貰える会社はありませんでした。。
年間300人くらいの学生がこの会社のサポートと共に海外留学するそうです。

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私の話は、相変わらず12年間放浪した~3カ国~の話しが飛びまくって、かなり編集が大変なのでは・・と後で思い、きちんと質問された内容→要点だけお答えするという事を心掛けないと、申し訳ないなと反省しました。

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偶然なのですが、インタビュアーの方は何と私と同じ小学校だったということが分かり・・・
小学生の頃は校庭の大きな木によく登っていました。とメールすると、
(あのブランコの横のですよね!私もです)

というお返事。これも何かの縁かと思いますね。不思議です。
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綺麗に印刷しているので、そのまま読んで弾けます。現代の編集社によって出版されている楽譜は、ピアノ様に指使いや、作曲家が書いていないスラー、またはFp(強弱記号)まで勝手に足してしまっていることもあり、もともと作曲家が何を書いたのかが分かりにくい為、できるだけ作曲家の時代に出版されたもの(作曲家が確認したであろう)楽譜をもとに演奏します。

またまた、話が脱線!しましたが、私の脳みそはじっとしていられない性分・・・なのでしょうか。

4月末の東京コンサートのプログラム、12月頃にもクリスマスコンサートや今まであまり弾いていなかったスカルラッテイも10曲くらいまとめてコンサートで弾けるようになりたいな~~なんて
思いながら練習しています。

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最後の小節線は▲みたいですね。


人間誰でも、毎日の生活でマンネリ化することがあり、年を取ればとるほど、”知っている領域”でヌクヌクと心地よく過ごしたいと思ったりしますが、だからこそ、新鮮な新しい事など少しでも発見があるとウキウキしますね。

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スコット・ロスの演奏は、聞いただけでなくそこから活力を頂き、実際に弾いてみたいな~と思わせるような、素晴らしい音楽なので、是非ご興味のある方は聞いて頂きたいです。

私の買った特選盤は聞きやすくてお勧めです。何と定価1040円でアマゾンの中古では600円という破格。

スコットについては、またゆっくり書きたいと思います
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皆さんこんにちは。

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可愛らしいアルザス地方の街コルマール

パリの寒さもやっと零下から0度以上に戻り、随分穏やかに感じます。
さて、この3日間はフォルテピアノのコレクションを見た後にフランス・コルマール博物館とスイス・ノイシャテル博物館にある有名なルッカースのチェンバロを見に行ってきました。

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3か月くらい前から行きたい行きたい・・・と思っていたのですが、なかなかお手紙を書いたりできなくて、結局1月になってしまいましたが、今世界でも現存している名制作家ルッカースの実際に弾ける状態のチェンバロを弾かせて頂くということは大変貴重な経験となりました。

詳細はまた書きますので、取りあえず写真のみUp致します。

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有名なMusee de Unterlinden.オフィシャルサイトはこちらからどうぞ。

窓際からチェンバロの音が何となく聞こえてきました。

あれ?

と思って中に入ると、約束をしていた前の官庁さんがチェンバロを弾いていました。
とてもチェンバロに詳しく、スカルラッテイから、フランソワ・クープランまで楽しそうに弾いていました。こういうチェンバロに詳しい方が管理をしていると、楽器も大事に保管され、多くのチェンバリストやピアニストにも公開され、チェンバロに親しめる環境を作っているということです。

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1624年ルッカース。外の装飾はアントワープからパリに来てどこかの工房で新しい装飾にされました。

足は、ヴェルサイユ宮殿に今も保管されているもう1つのルッカースチェンバロを同じ装飾です。
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記念にパチリ。

2年前に少しだけ弾かせてもらった機会があるのですが、その数分でもこのルッカースの素晴らしい鳥肌が立つような低音、そして上の段と下の段の音色の違い、(本当に何とも言えない色がそれぞれ感じますが、オリジナルならではという感じです。)などが記憶に残っており、再度またこの名器に再会できたのはとても嬉しかったです。

そして、私の持っているチェンバロもこのコルマール・ルッカースがオリジナルのモデルになっています。

やはり286年経っているチェンバロと新しい楽器の響きは全然違いますね。

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朝5時起きで電車に乗って見に行ったかいがありました!午前中いっぱいずっと弾かせて頂き、スイスへ電車でいくことに。

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コルマールは木組みの家とこのような木彫りのお人形などがとても有名です。
クリスマスには家全体のイルミネーションのコンクールもあるので、みんな色々な工夫をしているそうです。

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コルマールはほぼスイス寄りの国境の町で、40分電車に乗るとすでにスイスのバーゼル、そのまま2時間半ほど電車に乗るともう1つのルッカースのあるNeuchatel(ノイシャテル)に到着します。

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抜けるような青空です。左の雪の山はちょっと富士山に似ているでしょ?と。そうですね。

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よく見ると真ん中にスカイダイビングをしているパラシュートが見えます。

こんな絶景とお天気の中でスイスの景色を眼下に飛ぶなんて、最高ですね!

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NeuchatelのMuseumにあるRuckers 1632年

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全て手描きの素晴らしい装飾です。よく見ると、ネコ、クマ、ライオン、鳥、猿などが描かれているとてもユーモラスです。

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パリのチェンバロ制作家・Von Nagelの工房で修復されています。

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よく見ると・・・

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閉じた蓋の装飾

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中央のクマが持っている輪っかに狼?がとくぐろうとしています。

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これは、鶴?は食べれるけど、狼は食べれないで見ています・・・

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そして、この平皿を狼は食べてますが、鶴は食べれなくて見ています・・・面白いですね。

動物やこのユーモアの中にも何かを象徴していたり、ストーリーがあるのではないでしょうか?
そんな謎解きを17世紀の絵画や象徴、レトリックなどからするのも楽しいですね。

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さる、ライオン、ロバ、馬などと金貨?などがある箱が開いています。

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素晴らしい響板のローズ

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300年以上たっているとはいえ、未だに素敵ですね

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エビ!

Flemishのチェンバロの響板には、花だけでなく、虫や蛾なども描かれていますが、ブルーの典型的なフレミッシュのアラベスクの中は“お庭”と例えられていたと聞いたことがあります。

だから綺麗なお花だけでなく、色々な虫などもいるそうです。
でも、エビは一体どこから?

まだまだ、知識が足りないですね。
でも、当時の画家のモチーフを1つ選ぶにもきっとその裏には“花ことば”など全て理由や象徴があったに違いありません。

いつか、もっと分かるようになりたいですね。
取りあえず、この美術館に普通に行って、ただ見るよりもこの写真からはもっと詳細をご覧頂けたと思います。

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楽しんで頂けましたでしょうか?

音?

音はさすがにお伝えできませんが、本当にタイムスリップしたような・・・・
300年以上時を超えて今も聞こえるチェンバロの音とは、本当に体全体に、そして心に伝わります円。
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ヴェルサイユ宮殿の鏡の間のある方の”Madame de la Victoire(勝利のマダムの意味)という音楽好きのチェンバロ、ヴィオラ・ダ・ガンバを演奏している肖像画の残っているお部屋の近くに近年より2台のチェンバロが展示されています。

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調律するメノとチェンバロ製作者のアラン・アンセルム

皆さまこんにちは。
先週、まる1日ヴェルサイユ宮殿で300年前のオリジナルのチェンバロの音をずっと聞かせて頂ける機会がありましたが、何とも言えない至福の時でした。

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1728年Johannes・Ruckers

私のオランダの恩師、メノ・ファン・デルフトがアムステルダムからヴェルサイユに来てフランスのチェンバリストの為にマスタークラスを行いました。

最近メノもフランスに呼ばれることが増え、オランダ語、ドイツ語、英語ぺらぺらに加えてフランス語も去年より流暢になってレッスンをしていてビックリしました。聞いたら、今アムステルダムで教えているフランス人の生徒には常にフランス語でレッスンをして、色々な表現も生徒から教えて貰っているそうです。どうりで、住まないと聞かない様なフランス語の表現も自由に使っている訳です。

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スタンドのオリジナルは全部金箔ですが、これはコピーだそうです。
オランダ人は世界でも多言語を話す人種として有名ですね。自分の国が小さいせいか、他人にオランダ語を話すことを期待できない分、学ぶ分けです。日本人にも同じことが言えると思いますが、やはりアジアの言語とヨーロッパの言語を根本的なつながりがほとんどない為、ヨーロッパ人の方がメリットは多いですね。また2,3時間ドライブすれば隣の国境ですから、身近に外国語を使う機会が多い分けです。

フランス人は・・・フランス語が一番美しい・・・他の言葉なんて・・・フランスに来る外国人がフランス語を学べばいい・・・という考え方が多い為か、なかなか外国語を何カ国語も話せるという人は少ないですが、それでもイタリア語、スペイン語はフランス語とルーツがラテン語で同じですから、発音をちょっと変えた位で大体みんな意味は分かるようです。
日本語の標準語と関西語くらいの違い方と思います。

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さて、話がそれましたがチェンバロのメソードはオランダのグスタフ・レオンハルト(今年81歳でもヨーロッパ中を飛び回って演奏旅行をしています!)の伝統的な流れがあり、フランスでも仕上げはオランダに行く音楽家が2,30年前から多いです。
また、オランダに行ったアメリカ人チェンバリスト達もその後パリに数多くいます。タッチやスタイルの感じ方がフランスとオランダではやはり違う気がします。フランス音楽やイネガル(緩やかにルバートして弾く)のセンスなどは、やはりフランス人の上手な音楽家は何とも言えない優雅さがあり、頭が下がります。

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でも、個人的にバッハやドイツ音楽は、やはりレオンハルト系のオランダ人の演奏やアーテイキュレーションなどしっくりくることが多いです。
オランダではやはり作曲家に対して謙虚の心で忠実に表現するという考えが根底にあり、レオンハルトの様な微動だにせず指だけ動かす美しいタッチを習得します。

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パリの楽器博物館にも同じ装飾画家(パリ)で仕上げられたルッカースがありますが、このヴェルサイユ所蔵の方は、金箔の後に黄色いニスを塗ってしまった様で(1700年代)色がきれいに出ていないのだそうです。少し剥がれた部分から良く見ると下に金箔のレイヤーがあるのが見えます

結局のところ、やはり素晴らしいチェンバリスト、音楽家は何人だろうが、どこで勉強しただろうが、やっぱり上手い分けです。

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面白いのは、私のアメリカでチェンバロの手ほどきをして頂いた恩師ピーター・サイクスとオランダの恩師メノが2年前にボストンで初めて会い、お互いの演奏を聴いてそれぞれとても好感を持っていました。私はそれぞれから相手の先生の感想を偶然聞いて面白かったですが、お互いにチェンバロ、クラヴィコード、オルガン弾きとして感心する部分があったそうです。

その為、今メノがピーターの為に来年ヨーロッパツアーをオーガナイズしているそうです。これは、本当に私にもとても嬉しく、ピーターは素晴らしい音楽家ですが一生ボストンに居たため、ヨーロッパのコネクションがほとんどありません。

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しかし、アメリカでお世話になったメノがその恩返しのようにヨーロッパでのコンサートツアーを企画してあげているというのは、何とも微笑ましいと思いました。こういう音楽家の交流は素晴らしいですね。

さて、話が大分それてしまいましたが、オリジナルのチェンバロは、1台1台音が全く違います。勿論、同じ製作者のチェンバロは大体似た傾向がありますが、もう300年以上も経って、その間にベルギーで作られた後にフランスに来て装飾や構造がフランス人の趣味に作りかえられたり、その後さらに1900年に入って修復をしたり・・・
と1台1台まるで誰かの祖先をたどる様に歴史がある訳で、それはチェンバロの人生という感じでしょうか。
昔”レッド・ヴァイオリン”という同じヴァイオリンを使用した3カ国でのお話を描いた映画がありましたが、楽器には1台1台歴史があります。
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蓋の上の装飾。使用している木のせいか、かなり重かったですね。また、本体はオリジナルですが1700年代に蓋は取り換えられ、別の装飾になっているということです。
チェンバリストや製作者はそういった歴史を知ることも重要で、特にオリジナルのチェンバロに触れれる機会には、同じ時期や年に作曲された曲を演奏したりすると、何とも言えない“ピッタリ感”があります。

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ルッカースファミリーのチェンバロは音質、構造が大変良く、後にフランスでこれらの良い土台を使ってフランス風に改造されました。しかし、チェンバロの裏面は壁側に置き見えない事が多い為、装飾がされていなかったりします。このルッカースも壁側はもともとの質素な典型的なルッカースチェンバロの大理石風の装飾が残っています。興味深いですね。

それは、フランス人にはフランス語で、ドイツ人にはドイツ語で、またイタリア人にはイタリア語で話しかけるのと同じように、フランス風チェンバロはフランスの作曲家、まさにヴェルサイユ宮殿で活躍した宮廷作曲家の曲を今回のようにヴェルサイユ宮殿で300年前のチェンバロで演奏できるのは、至福の喜びですね。

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製作番号が書かれています。ルッカースのチェンバロ工房は、“フランダースの犬が最後に教会でなくなってしまう大きな絵”のモデルとなっている有名なフランダース派(今のアントワープ)のルーベンスの工房とご近所でした。
その為、高級なチェンバロはルーベンスの工房で装飾がなされたりしました。

茶道を追及している方が、銀閣寺の1室で千利休の使用した道具でお手前を実際に体験できる・・・というヨーロッパ編といったところでしょうか。

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そして隠れた“道具箱”ここに、スペアの弦や道具をしまえます。かなり奥行きがありました

私のチェンバロもルッカースのコピーですが、この道具箱がついているのをてっきり忘れて、万が一コンサート前に弦が切れた時の為に弦が必要!あれ?ないない・・・と製作者に送って貰う様に聞いたのですが、道具箱にない?と電話で言われて、え?ちょっと待って・・・

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と見ると、壁側の普段は見ない方にちゃんと道具箱が・・・開けると全ての弦のスペアが出てきました。昔の人の知恵はすごい!

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もう1台の1746年 nicolas Blanche 

個人的にタッチはルッカースの方が弾きにくかったですが、ブロンシェは上鍵盤も下鍵盤も本当に何とも言えない素晴らしい音とまろやかなタッチですぐに魅了されました。アランが数年前にヴェルサイユ宮殿より再度調整し直してと依頼がり、今は弾ける良い状態になっています。それでも、急に部屋に20人弱の人がチェンバロの周りに来て弾いただけで、温度や湿度が変わるので調律したばかりでも1時間後にはすぐに狂い始め、小まめに調律が必要となります。

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ジャックは全てClaude.Y.Mercierによって修復された際に代えられ新しくなっていますが、アランがさらにパリ郊外のお城にあるもう1台のブロンシェのオリジナルと同じジャックをコピーして全て作りなおしたそうです。

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皆さまこんにちは。
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にわか雨後に一瞬だけ現れた2重の虹

昨日は、快晴とにわか雨の不思議なお天気でしたが、1日中ヴェルサイユ宮殿に行ってきました。

現在ヴェルサイユ宮殿で展示している、修復済のオリジナルチェンバロ2台を弾かせて貰いました。また、幸運なことにロイヤル・チャペルのオルガンも見せて頂きました。

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1728年ヨハネス・ルッカース作

ルイ14世や15世の即位やマリーアントワネットとの結婚式も行われたチャペルの天井画、装飾、オルガンは圧巻です。詳しくはコンサート情報以下に写真をUpしますのでご覧下さい。
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バチカンのミケランジェロの天井画を思い起こされる迫力です。
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ル・ノートルの建設した巨大な運河が見渡す限り続く庭園。

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にわか雨でびっしょり

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その後の2重の虹

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1682年、フランス王ルイ14世(1638年 - 1715年 在位1643年 - 1715年)が建てたヴェルサイユ宮殿のロイヤルチャペル(1699年-1710年建設 La chapelle Royale)は、マリーアントワネットとルイ15世の結婚式や代々ルイ王朝の戴冠式なども行われた歴史のある場所です。

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チェンバロを見た後にちょうどロイヤルチャペルでバッハのカンタータのコンサート中だったので、聞きに行きました。

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見上げると素晴らしい天井のフレスコ画に圧巻!

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絶対王政のルイ王朝の権力はすごいですね。

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足元を見ると大理石でルイ王朝の象徴であるユリの紋章があります。

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ここに、黄金に輝くオルガンがあり数年前に修復され今もコンサートで使用されています。

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偶然、オルガンを修復した方とチェンバロ修復家のアラン・アンセルムさんがいらしたので、特別にオルガンを見せて頂きました。
螺旋階段をぐるぐると上り、オルガンのあるバルコニーの階へ。全ての床、天井、窓がシンメトリーに計算され大理石や金箔、ステンドグラスで装飾されています。

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奥に進むとオルガンがありました

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見上げると天使が・・・

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オルガンの横の部分の装飾

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鍵盤は小さめでタッチも軽く弾きやすかったです。

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それにしてもすごい装飾

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手動で弾きたい音の組合せのストッパーを引きます。

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バルコニーからの眺め。圧巻!ルイ14世、15世、また宮廷音楽家であったリュリやクープラン、ダングルベールもきっとここに立ったであろう・・・と考えると身震いしますね。300年前はまさか外国人がこんなに自由に世界中から観光スポットとして来る場所になるとは、誰も考えていなかったのではないでしょうか。

王のお許しのない凡人の私なんかまず宮廷内に普通は入れないでしょうし。時代の変化ですね。

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オルガンのドア

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もう夕暮れでした。今、宮殿の中庭の建物に全部金箔を塗り直し、屋根まで金きら金!ですが、フランス人からするど、デイズニーランドじゃないんだから・・・とちょっと残念そうでした。アメリカ人や日本人はゴージャス!と喜ぶらしいです。
ヨーロッパ人は古い物に慣れているので新しすぎると抵抗感があるようです。

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しかし、今修復・増設中の柵は歴史的に見てもヴェルサイユで実際に300年前にあった姿ではないそうなので、なぜ余計に増設するのか・・という意見もあるようですが、現場監督の人には全ての建設料の11%が手数料で入る為、どんどん増設工事を進めているのでは?とヴェルサイユ宮殿関係者が言っていましたが・・・ちょっと残念ですね。
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