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本番終了&反省会/C`est fini! & la reflexion

こんばんは。

何だかこの10日ほどパリなのに梅雨の様な・・・・・・お天気が続いています。
冬は湿度が38%まで落ちるのが平均なのですが、51%もあります。

チェンバロの保存の為にいつも温度計&湿度計は楽器の横に置いてあり、加湿器で冬は調整します。

さて、昨日・今日と立て続けに2つフォルテピアノでの本番があり、終わって一息しているところです。

昨日は、2つフォルテピアノでベートーベンのヴァイオリンソナタ“春”とショパンのソナタ2番。
そして昨日それが終わってすぐにブリュッセルに電車で行き、今朝は楽器博物館の貴重な楽器で練習。来週リサイタルがあるので楽器に慣れるためです。

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まるでストラディヴァリウスのピアノ版みたいな名器!プレイエル1843年。素晴らしい音色です。

博物館が使用できる時間が限られている為モーツァルトのソナタとショパンのソナタを練習した後すぐにシューベルトのピアノトリオの本番。

頭の中がくるくるしそうでしたが、それよりも腕がそれぞれの楽器に慣れるまで15分くらいは最低必要なので、頭の切り替えだけでなく、腕やタッチを順応させるのが大変ですね。

チェンバロの場合は本番でも頭の中の集中力だけで、肉体的な労力はほとんどない為、脳と指先がピピッとつながってやりたいことがすぐに反応するのですが、大きなフォルテピアノの場合はまだまだ肉体的に大変な部分もあり、体が一生懸命にピアノに順応しながら弾いている・・・という労力を感じます。

勿論、もっと自然に“無意識”に腕が反応するのうになるのが一番ですが、まだリハビリ中といったところでしょうか。ピアノを弾かなくなって10年の漬けは大きいです!

今(自称)リハビリ開始して2年目ですが、まあやっと慣れてきたという感じでしょうか。でも、これは誰の為でもなく自分の為に“今”しなければ、一生ピアノを弾かないかも?!と思ったので始めたので良かったと思います。

やろう!と思ったその時がやり時?!ではないでしょうか。
ハーバードのMedical スクールやサマースクールでも、1度ビジネスマンだった人がやっぱりお医者さんになる!弁護士になる!と40歳過ぎで新たな人生に挑戦している姿は珍しくなく・・・

アメリカではその人が *今やりたいこと*と思ったら年齢なんか関係ないんだな。と思うほどぶっ飛んでいる人が多かったです。ハーバードの科学や法学、医学専攻の学生なのに音楽家並にヴァイオリンが上手だったり、才能豊かな人がこんなに居るんだなと目から鱗でした。

話を戻しますが、シューベルトのトリオは、まあとにかく凄い集中力を必要としました。そして腕や体も使わないと楽器が鳴らないので終わったら何だか左の腕のすじが突っ張っていて、*変な弾き方したかな?無理したかな?*と体がシグナルを出してました。

来週の本番ではこういうことがないような、もっと体の中から呼吸を上手くフレーズと合わせて無意識に使えたら自然な流れの音楽になると思いますが。

まあ、3,4日で変わるようなことではないもっと根本的なことですが・・・

ところで、友人にデジタルのとても手軽な最近日本でも数種類出ている録音器を借りたのですが、すごい万能!

軽くて小さいのに音質も良く、コンピューターにそのまま落とせるので自分の演奏がデータとして残せるし、またすぐにも消せる(!)ので気楽に普段の自分のチェックに使えそうです。今回の本番には間に合いませんでしたが今度日本で買ってこようと思ってます。

早速、昨日と今日の自分の演奏を聞いたのですが、やっぱり弾いている時と違うことが色々よく分かります。


当たり前ですが第3者として客観的に見えます。
こういう゛耳”が弾いてる時にもっと必要だなあと思いました。

自分ではやっているつもり。
でも、イメージだけで音に出ていない。現実に表れていない。
でも、現実は違うらしい・・・と気が付けばすぐに変化できます。
しかし、気が付かなければ゛知らぬが仏”。

しかし、きっと普段の生活からも ゛こうしているつもり”、゛こう伝えたつもり”、という“つもり”でも現実は違うことも多々あるかもしれません。

普通の出来事であれば゛自分がこう言ったら相手はどう思うのか”など相手の立場に立って考えたりすると少し客観的に見えますが、゛音”はまさにその場で生まれて消えていくわけで、その前にもその後にも変えられなく、゛その時”の自分の判断がとても大事ですね。

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パリ、サンスルピス教会。ダ・ビンチコードにも出てきますが、女優のカトリーヌ・ドヌーブもこの近所にお住いとか。(内容と全然関係ないですが)

自分が焦ればテンポも呼吸も早くなり、客観的に見えなくなる。普段では早くて弾けないテンポでもなぜか指が勝手に回っていってします。
きっと前のめりになって歩いている人みたいに?弾いてるのでしょうか?想像すると可笑しいですが。

ので、ちょっと落ち着けるところは、ふと冷静になる為に姿勢をちょっと後ろに持って行ってもう少し空間を感じれるようにしたりしますが、それもつかの間だったりして・・・(苦笑)

本当にまだまだ修行ですね。
でも、こうして多くの名曲に触れられるのは大きな喜びですが、これは終わってから言えること?

(弾きたい曲)だったはずが、いつの間にかすごいプレッシャーで(弾かないといけない)と思ってたりします。
そうするといい音も出ないですよね。

録音を聞いても自分が迷いながら弾いている音、本番だからいい意味であきらめてLet`s Go!みたいな時は何だか流れでうまくいったり、不思議ですね。

だから、精神状態も本当に鏡のように゛音”に出ますね、
ということで、反省モードでした。(笑)

来週は2時間のピアノリサイタル、その後は再びチェンバロでオーケストラとドイツツアーに行く予定です。