パンパカパ~ン!/Oui,c`est fini!

皆さんこんばんは。

題名からしてぶっ飛んでいますが、3カ月の末バッハ・ゴルトベルク変奏曲の編集の全てがやっと終了しました。聞くのに1カ月、ジャケットに1カ月、編集に1カ月という感じでしょうか。

は~~~。ここまで来るのにどれだけ時間がかかったか・・・

というのが正直な感想。

エンジニアも、 ”次回はもうちょっと効率良くやろうか?” と半ば呆れておりました。

【音】の部分が全て決まった後、最後の2週間は【間】を決めるのに全部通して10回以上聞いたでしょうか。

1回聞くのにも80分かかるのですが、32曲(ところてんの様に小さく次から次へと並んでいる・・)を繋げる【間】によって、不思議にゆったりと間延びして聞こえたり、逆に急かされて聞いて居る様な・・・~印象~が変わってくるんですね。

今更ながら、【間】も音楽の一部というか【間】から音が生まれるというか・・・

音と間は同じ比率で重要だという事に気が付きました。音が鳴りっぱなしでも疲れるし、【間】と共に無意識に聞く人も呼吸をする。

そして、【間】があるから【音】が生きる。どちらも必要不可欠なんですね。白と黒みたいな関係でしょうか。

これは、写真の被写体周りの空間の様なバランス

絵の人物とその周りの空間みたいな・・・
それも【レンブラント】の肖像画みたいに、どこからが暗闇でどこからが人物なのか分からないような【空気感】を感じさせる【間】なのか、

【ゴッホ】のようにくっきりと原色で分けた【間】なのかによっても印象は大きく異なります。

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3月29日にパリのシャトレ劇場で発売記念コンサートがあります。

または、今日聞いていて思ったのは【食べ物が運ばれるタイミング】これは、食いしん坊だからの発想?

そう。レストランで、早すぎても、遅すぎてもいけない、あの微妙なタイミング・・・というか。

フランスのコルドンブルーでシェフの勉強をしてミシュランのレストランで修業をし、帰国して旦那様のレストランで働いている友達が、やはりお客様へお料理を出すタイミングは物凄く大事で、早すぎても遅すぎてもダメ。全部厨房の奥から見てウエイターに指示しているということでした。

話が飛びましたが、【音楽】=生もの=生きています。

なので、【間】が伸びると、何となく飽きたり、もう少し呼吸をしてゆっくり聞きたいのに急に始められると、あれ?!もう始まっちゃたよ・・・ みたいな・・・

シューマンのカーナバルやクライスレリアーナムソグルスキーの展覧会の絵バッハの平均律などの録音は、やはり長大な中に数十個の曲が入っているので、個々のキャラクターをきちんと聞かせながらも、全部聞いた時に1つのまとまった作品として聞こえなければいけない様にまとめるというのは、至難の業だと思います。

フランス料理を全部食べ終えた後みたいな?って通常の日本人の胃には量が多すぎてとても全部食べきれませんが、日本の懐石料理にも通じるみたいな?

そんな、私にはとても苦手な【全体を見渡す】という作業をして、ミクロの1音1音をずっと1000回くらい聞いていた末に、今度は距離を離して客観的に見るというのは、とても良い勉強になりました。

まさか、まるまる3カ月もかかるとは全く思っていませんでしたが、【音】と関わる事によって、普段自分が見えない無意識の癖や、もっと大きな視野を持つ重要さ=音だけでなく、日々の生活や生き方に至るまで、など色々と考えさせられました。

残念ながら、すでに数十年生きた末の癖なのでそんなに簡単には直せないにしても、【鏡の前でブサイクな自分を見る】ことで、ここが醜い=ここを直せば良いのかな?と自覚するだけでも、ブサイクであることを知らないままよりは良いのでは?なんて(苦笑)

気がつけば、明日は誕生日です。
というわけで、合わせてパンパカパ~ン!!

とお祝いしたい気分です。

日本では自分で誕生日会を主催する?のでしょうか。
もうこの年になったらしませんね。(笑)
フランスでは、誰か友達や家族が祝ってあげることの方が多いようです。

思えば1年前にチェンバロも空を飛び本帰国し、12年ぶりに誕生日を日本で迎え、ボストンで一緒だった旧友と再会して鍋パーテイーをして盛り上がりましたが、あまりに早い1年でした。

日本に帰ったかと思ったら、何故かまたパリへ5カ月戻り、あれよあれよと12月になり、帰国してまだ3カ月。そして、またパリへという感じですが、とても実り多い年だったと思います。

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超、超!キッチュなDuportのジャケットです。初公開!(笑)
これでも、色のトーンを少し落として改善した結果です。
さて、これを見てこのキッチュさが実はフレンチジョークだと、日本で何人の人が共感するか私には大いに謎です。
ジョークも何も、ちょ・・・ちょっ・・・と・・・と【コッテコテ】ではないでしょうか?
さすがに私も巻き髪のお蝶夫人みたいな恰好でチェンバロ弾きませんから(笑)
しかもこのお人形が弾いているのは【ピアノ】だと思いますが・・・



これで1つ終わり、また新たにスタートする気分で明日から歩みたいと思います。

エンジニアを始めデザインをしてくれたKちゃん、楽曲解説を書いてくれたYさんにもとっても感謝。そして、フランスだろうが、アメリカだろうが、東京だろうが、困った時に力を貸してくれる親愛なる友達にも。

フランスは私にとって必ずしも楽しいというより、55%は苦い経験だったかもしれませんが、今は、その苦さが良い感じの渋さに変わりつつあるというか、渋いけど好きみたいな存在ですね。
とっても多くの事を教わったと思います。

そういえば、パリに住み始めた頃はエスプレッソの苦味が美味しいと思えませんでしたが、段々とあの苦さ+一かけらのチョコレートがとても美味しく感じられました。

パリの街もそんな感じでしょうか。という私も随分皮肉っぽくなってしまったでしょうか?(直さなきゃ・・・)

いつもがバラ色の様な街ではなく、それは1週間の観光の時のみ!?ですが、ふと、【やっぱりパリはいいな~】と散歩しているのが一番幸せな時かもしれませんね。

さて、自分が今度どんな風にパリへ行って感じるのか、そして日本を外から見てどう感じるのか、楽しみです。
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