コニャックのカミュさん/Monsieur Camus a Cognac

皆さまこんにちは。
日本もいよいよ30度を超す蒸し暑い日が始まったようですが、パリも昨日は30度を越し地面からの照り返しがすごく、今日も予報では36度です!

フランスのMidi(中央)などではこの夏40度も予想されているようで、雨が降らない干ばつが続きワインを育てるぶどうにとっては厳しい気候のようです。

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見わたす限り白ブドウのコニャック

なぜぶどうを気にするか?というと、
先週世界で有数なコニャックのブランドCAMUSの会長さんJean-Paul Camusさんへ会いに行ってきました。パリから電車で2時間少し、そこから車で40分ほどでCognac(コニャック村)に着きます。

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今ここにいるんだよ。と説明してくれるCamusさん。今は息子さんが社長として会社を引き継いでいらっしゃります。

人口は6000人くらいの村で、La Rochelleという地中海に面した港から内陸に110キロくらいの所です。3年ほど前にオーケストラのツアーでLa Rochelleでコンサートをしたので何となく地理的に分かりましたが、フランスは広いので各地方によって特色、お料理、産物も違い楽しいですね。

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ゴッホの絵の中のようですね。

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田園を抜けると出てきたのは、おとぎの国のようなお城!

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ゲストルームもある素敵なシャトー

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まずは、乾杯!とコニャックと炭酸水を割ったアぺりテイフ

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左からアジア支社総支配人の香港在住のアンさん、カミュ会長

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ランチの前には凍ったコニャック Ile de Re を氷の入った素敵なグラスで頂きます。

アンさんはよく出張で日本へ行かれるそうですが、今はみなさん御存じの【成城石井】が大きなクライアントで日本でも随分コニャックが飲まれているとか。

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前菜、右上の逆三角形のグラスが凍ったIls de Reが入っています。下には氷を敷き低音を保ちます。

メインはカモ肉にチーズ、そして自家製のタルトタタン(リンゴパイ)がとっても美味しかったです。レシピを教えて貰いたいくらい、タルトの生地が厚いのにふっくら。

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昔の【ぶどう搾り機】の足の部分だったねじのような木材を暖炉にリフォーム!おしゃれですね。

それでは【コニャック醸造所見学開始】
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コニャックは2回、直火で醸造しないといけない為、1回目の醸造は12月31日までと決まっているそうです。そして寝かして4月に2回目の醸造をするため、忙しい時は1日12時間くらいも働き続けるそうです。その他ぶどうを育てるシーズンは5人の担当者で大丈夫だということです。

敷地は地図で村1~3つ分くらいの15ヘクトヘクタール。何万坪でしょうか・・・
見渡す限りブドウ畑でした。
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右からできたばかりの透明の今年のコニャック(アルコール80%)から数年かけて45%まで落とすそうです。

コニャックは全て白ブドウから造り、コニャック地方のぶどうはシャンパーニュ地方やブルゴーニュ地方のブドウに比べてかなり酸っぱいそうです。

しかし、2回醸造して4か所の白ブドウ他150種類の植物、フルーツを掛け合わせて毎年【CAMUS】の高品質のコニャックにブレンドするのが至難の業なんだとか。

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コニャック地方では、この樽の生産地としても有名だそうです。

面白いのは、戦後はかなり強いアルコールが飲まれていたけれど、最近はもっとマイルドなまろやかな味が好まれるため消費者の好みに合わせてブレンドされているということです。

場ぶるの時期は日本がシェア(消費)のNO.1だったそうですが、今はアメリカ、中国に続き5位だそうです。確かにコニャックは高価なお酒ですから、日本ではビール、また最近はワインブームでしょうか。ほとんどのフランスワインも日本で手に入りますが、防腐剤が入っているのでやはりフランスの純粋なワインの方が美味しいそうです。

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樽で寝かせた後、フルーツのかすなど全て取り除き、このタンクに入れて冷やし安定させます。コニャックが目盛と一緒に見えますね。味見もできるようにハンドルがついています。

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ぶどうは大体40-45年の寿命で古い木がだめになってしまうと、すぐに抜いて新しい木を植えるそうですが、翌年は土地を休ませ、2年目はとうもろこしを蒔き、3年目はひまわりを蒔き、4年目にやっと木を植え、5年目のぶどうはまだ若くて使い物にならず、初めて使えるぶどうができるまで植えて4年くらいかかることから、全部で10年はかかるそうです。

そんな気の長い気持ちで、150年続く家族経営で今もブドウ園を守り続けています。コニャックのブランドは20社くらいあるそうですがほどんどの会社は買収され、完全に孤立した経営をしているのはCAMUSさんを含め3社のみだそうです。

また、他のコニャックは50%の売り上げが1年、2年目の安いコニャックで、XOなど4年以上の一番品質の良いものは15%-25%の売り上げだそうですが、CAMUS社はそれが反対で、高級なXOなどが50%の売り上げでレベルの低いコニャックが15%-25%でアメリカでよく消費されているそうです。

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カミュさんのご自宅のお庭からもブドウ園が広がっています。

家族経営なのでブドウ園の規模も限られており、量では他社に負けるということから、始めから高級志向で戦略を練りカミュさんのお父様の代に空港のDuty Freeショップに置くようになったそうです。

週末の趣味は?とお聞きしても
【ブドウ園を見て回ること】と根っからのぶどう好きのようです。

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素敵なご自宅。右に映っている井戸は150mの深さだそうです!

また、ご自宅にご案内して頂きましたが、音楽を聞くお部屋があるほど音楽好きで、ドライブしている最中もずっとクラシック音楽をお聞きになっていました。

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ダイニングルーム

玄関を入ると、【風と共に去りぬ】のスカーレット・オハラが出てきそうな螺旋階段!(あっけにとられて写真取るの忘れました・・・)

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夢の様な音楽サロン!

壁には15世紀ー最近までの古楽器などカミュさんご夫婦のコレクションが飾ってあります。実際に演奏できる楽器です。

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弦と鍵盤がついたファーデイーガ―デイーの様な楽器

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こちらも不思議な楽器

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今では亡くなったチェロの巨匠、ロストロ・ポーヴィッチも旧友で遊びに来た時の写真を見せてくれました。

面白いエピソードを話して頂いたのは、ロストロポーヴィッチはどこへ行くにも小さな愛犬2匹と一緒で、【私の犬はピアノを弾く】ということで弾いて貰ったそうです。

トリックは、ロストロが楽譜をめくる指先にはお砂糖を持っていて、それを右、左にするとワンちゃんは喜んで前足2本でピアノを弾いた・・・そうです。おかしいですね。

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その後、プライベートのとっておきのコニャックを試飲(Degustation)させて頂きました。何だか映画に出てきそうな古い、小さなダルタニアンの騎士でもいそうなカーブです。

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樽からそのままビーカーに紐をつけた昔ながらのやり方でグラスへ注いでくれます。

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そして、このコニャックの香り豊かなこと!!

私は普段コニャックはほとんど飲まないのですが、せっかくの機会だからと頂きましたが、何とこのコニャックはカミュさんが生まれた65年前にお父様が作ったコニャックで大事に飲んでいるということです。

一緒に行った父もカミュさんと同じ65歳でそんな貴重なコニャックを快く分けて下さったことに深く感激してました。これは、カミュさんにお会いしてこのカーブに来なければ絶対に飲めないとアンさんが言ってました。香りの高さ、まろやかさは通常のコニャックと比べものにならないそうです。

確かに、何回も鼻で嗅いで楽しんでいるうちに勝手に酔っ払ってましたね。(苦笑)勿論おいしく頂きました。

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その後、Camusさんから【Chevalerie du Verre Galant】という称号をみんな頂き、メダルと賞状?まで頂いてしまいました!アンリ4世が関係があり、彼はChevalerie du Vert(緑の意味)だったそうで、それにかけて 【Verre(グラスの意味)】としたそうでウイットにとんでますね。

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その後、CAMUS社へ移動。数々のコニャックが並んでいます。

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こちらは1962年!

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そして何と自分たちでコニャックを選んで好きなようにブレンドして自分のオリジナルコニャックを作ろう!ということで挑戦。

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4種類のコニャックを嗅ぐとそれぞれ香り、まろやかさが違います。

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香水作りと似ているようですが、②-④は香りが異なるので好きな香りを多めの%で混ぜるレシピを決めます。

①Fins Bois(メインのBodyになるコニャック)50%
②Borderies 10%
③Petite Champagne 20%
④Grande Champagne 20%

私はこんな%にしてラベルとCAMUS社の記録に書きます。このオリジナルブレンドをまた注文したければ、CAMUS社に注文すると自宅まで届けてくれるという嬉しいサービス
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ビンに調合して詰め、封をしています

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ラベルを付けて

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完成!

あまりに勿体なくて、いつ開けようか…という感じですが。
楽しみですね。数年寝かしてもいいですね。

コニャック地方では子供が生まれるとその年の樽を作るそうで、女の子は結婚した時にその樽を開けて良いそうですが、晩婚の方がコニャックは美味しいので晩婚の方がいいと言われるとか?!

パリからTGVで2時間少し、車で4時間の旅、機会があったらお薦めです。
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