Lausanne2/ローザンヌ フォルテピアノ展示会2

面白かったのは、ローザンヌのフォルテピアノ展示会でフォルテピアノ製作家・修復家の為に開かれた、クリストファー・クラークによりアトリエ(勉強会)です。

私も見学させて貰ったのですが、古いピアノを修復する為にモーツアルト、ショパン時代のピアノメーカーが実際に使っていた道具も再現して作って、実際に今フォルテピアノを修復する際にこの機械を使いながら作業をしているそうです。

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フォルテピアノのハンマーは現代のモダンピアノのハンマーよりもずっと小さく、素材なども天然の皮など様々で音色も繊細に変化する為、製作家は使用する素材に大変こだわります。

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現代のフォルテピアノの製作家として一番の腕利きと言われいるイギリス人(フランス在住)のクリストファー・クラークが再現して作った昔のハンマーのフェルトを付ける機械。

足にペダルがあり、そのペダルを押すと数キロ分の圧縮する重さがハンマーの部分にかかり、接着剤を付けてフェルトを付けます。接着剤も昔は全て天然素材のにかわを使用していました。今でも楽器制作、ヴァイオリンなどの板を合わせる時に使用されています。

にかわは牛の皮や骨から作られ、短時間で接着でき木材に良くなじみます。修理の時には熱を加えると容易にはがせるので楽器制作に今でも良くしようされています。

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また、チェンバロの響板(弦が張ってある楽器の内側)に描かれている絵等も、昔は絵の具の粉と”卵の黄身”を混ぜ合わせて描いていました。

今の油絵の具よりも、仕上がりがふわっと軽い感じでべたっとしていなくエレガントな印象です。昔の人の知恵は、現代の私達が忘れた技術や工夫がもり沢山の為、多くの製作家は修復されていないままのチェンバロ等を研究し、どういう素材とテクニックで“幻の音”を作りだしたか知ろうと多くのコレクションや美術館を回ったりしています。

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Mozartの持っていた5オクターブの現在ザルツブルクのモーツァルト博物館に保存されているフォルテピアノのコピー。Robert Brown作。

この楽器は、本当に繊細で指先のミリの感覚をキャッチして音色に表現できる、数少ない私がとても気に行ったフォルテピアノです。

d0070113_22464915.jpgMozartのピアノのコピー(ワルターモデル)しっぽの方の形がユニークです。いわゆるキラキラっとした音というより、“古い”何とも言えない音色を持っています。派手なモダンピアノが好きな人には物足りない・・・という感じがするかもしれませんが、チェンバロなど古い音に慣れている人には身近に感じるかもしれません。

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6オクターブのRosenbergerのコピー(Robert Brown作)。この間イギリスのフィンチコックスで見たRosenbergerとあまり変わらないモデルです。オリジナルに比べてかなり明るい、新しい音がします。

6オクターブあると、モーツァルト、ベートーベンの後期、1曲シューベルトなどをプログラムに入れたい時にも1台で弾けて便利ですが、モデル的には本当はグラーフなどの他のモデルがあれば理想ですが、現実的にコンサートで1曲の為に2台目を用意するというのは大変なので、そういう時には便利かもしれませんね。

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おまけ。デザートに食べたプロフィトロールがおいしかった!シュ―クリームの中にバニラ、カフェ、いちご、タピオカのアイスが入っていて、暖かいホットショコラをかけて食べます。あ~~幸せ!

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8月にミラノでお会いしたアンドレア・レステッリとチェンバロ製作者のダビット・レイ

ダビットの楽器は最近知ったのですが、クリストフ・ルセの楽器がモントンの音楽祭にわざわざパリから車で7,8時間?かけて運ばれたのですが、本当に良く鳴ります!

良いチェンバロとはこんなに鳴るものか!と思うくらい。家に帰って自分の楽器を弾いたら何か鳴らない様な気がしてしまうほどダビットの楽器は素晴らしいですね。

今週も、彼の他の楽器を持っているムッシューのお宅へ伺い、弾かせて貰いました。鍵盤、響板から、装飾、金箔を張るのも全部1人でやるので1台に1年半ー2年かかるそうで、今までに20台くらい作ったそうですが、本当に名器ですね。
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ということで、いつかMOzart時代のフォルテピアノ、オリジナルのプレイエルやブロードウッドのピアノ、そしてオリジナルのチェンバロが朝目を覚めて家にあったら?!なんて思いますが、そんなのは夢のようですね。

ヨーロッパにはそういうコレクターの方で、チェンバロやフォルテピアノ奏者でなくて趣味で嗜む感じだけれど、楽器が沢山・・・という方が多いみたいです。そういうインテリな方達で寛容な場合はプライベートのコンサートや録音に貸し出したりもしている方達もいらっしゃる様で、色々な素晴らしい名器の音がCDとして残っています。
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